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露大統領の熱い演説
2009.11.21
[コラム]
メドベーチェフ大統領も熱い!
ロシア与党・統一ロシアの党大会でのプーチン党首とメドベーチェフ大統領の演説は、迫力があった。数字に裏つけられた具体的なビジョンが満載で、長くて早口であったが、皆うなづきながら聞いていた。訪日した時の、日本への配慮溢れる演説と全然違って、本国の党大会で国民に語りかける演説は、オーラがみなぎり圧倒的なパワーを感じる。クライマックスはメドベーチェフ大統領の以下のくだりだった。
「政党は、与党だろうが、野党だろうが、道具に過ぎない。政党は、政治のためのとても重要な道具だが、所詮は道具に過ぎないのだ。政治は国民のためにあるのだ」
これを統一ロシアのプーチン党首、グルィズロフ議長そして党員の目の前で言い切ったのだ!
統一ロシア党員が大拍手!一番盛り上がった場面だ。
自民党大会でこんなことを言って、こういう反応になるだろうか?会場の皆が一番感激したシーンであった。クタクタになってもサンクトペテルブルグまで来てよかった。
統一ロシア主催円卓会議が始まる。
2009.11.21
[コラム]
ロシア鉄道のヤクニン総裁との朝食会を終え、与党統一ロシアの党大会に招待された世界各国の代表たちと党大会会場を訪れる。朝の行事は各国代表との「政党が経済危機の中で果たす役割」がテーマの円卓会議。テーマを解説した与党統一ロシア代表でロシア国家院(日本の衆議院に相当)議長のグルィズロフ最高評議会議長は、「経済危機で国民の与党への視線が厳しくなってきている。与党としてこの危機をどうくぐり抜けるかがテーマだ」と本音をちらりと漏らす。
ここは経済危機の真っ只中で政権を失った経験を持つ自民党議員の出番だ。国際舞台では真っ先に手を挙げて発言し、流れを作ることを常に目指している。国際舞台で目立つには自分の言葉で熱く語ることだと思う。
一番先に手を挙げたのに、中国の代表が割り込み、発言を開始する。この方は中国語で話し出し、それをロシア語に中国代表団の通訳が訳し、それを会場の通訳が英語に直す。やたらと時間がかかる。しかも発言内容がテーマからそれていて、司会者も参加者も苦笑い。中国政府がやった経済対策を披露している。まあそれもいいが、とにかく話が終わらない。
一人で30分近くの発言がやっとのことで終わると司会者から「だいぶ時間がたったので後は一人3分でお願いします」とのことわりが入る。
私は「経済危機の中で政権を失ったわれわれこそ統一ロシアが学ぶべき」と始め二点を強調。派手目にデフォルメしたファッションで、英語でガンガン話して日本代表としてアピール!
「統一ロシアが、もしずっと政権を維持したいなら、われわれが政権転落が学んだことを肝に銘じていただきたいと思います。そのために二つの提言をします。まず、官僚の情報やアイデアに頼るのではなく、真摯に国民の声を直接聞いてください。それを参考して政策立案するのです。次に国民を辛抱強く説得すること。経済危機の中でこそ、メディアを通じたり、国民の前に直接出て行ったりして、国民を真摯に説得するのです。」
日本でもそうだが、自分の言葉で語らないと、おしゃべりばかりで他人の話を聞かない国際会議では、さらに聞いてもらえない。
「経済が深刻な時にこそ、真摯に国民の声を聞くのです。利権やしがらみのある相手や大企業ばかりではなく、党員でも組織票を提供してくれる団体でもない、一般の方々の声をたくさん聞くべきです。そしてその声をしっかり汲み取って対策を作るのです」
「次に国民の声に基づいて作った対策を辛抱強く国民に伝えていくべきです。そして、政府や与党に手厳しいメディアにこそ真摯に対応して説得すべきなのです。いくら批判ばかりだといってもメディアこそが国民との対話の最大のチャンネルです。特に経済危機では国民に辛抱強くなってもらわないといけないし、色んな形で負担をお願いしないといけなくなる。それに今の多様化した経済構造の中で全員を完全に救うことは出来きません。だから真実を語って真摯に説得するのです」
「国民は賢明です。その声をしっかり聞いて対策を作り、真摯に問いかけ説得すれば、間違いなく政権を維持できるでしょう。」
ロシアにおいては、“メディアによる政府・政権批判”はタッチーというか、タブーに近いので、話しながらビビッたが、ロシア側はとても真摯に聞いてくれた。円卓会議が終わって、参加者が「正直にあそこまで話してくれた勇気に感激した」「一番テーマにあった発言だった」「実は日本の政権交代をわれわれは研究しているんだよ」と数多く寄って来て賛辞を述べてくれた。ルシコフ・モスクワ市長も「議論に大いに貢献してくれてありがとう」とガッチリ握手してくれた。
それにしても、予想以上に日本の長期政権の喪失分析が大きな注目を受けている。正直、複雑な気持ちだった。
モスクワからサンクトペテルブルグへ
2009.11.21
[コラム]
久しぶりのロシア訪問。成田から10時間のフライト。昔はロシア製機材だったアエロフロートも機材はエアバスになりハードは快適。ただ、サービスは最近利用したエミレーツやシンガポールと比較するのは酷かな。
機内映画もちょっと懐かしいものばかり。機内販売もクレジットカードは不可でユーロかドルかルーブルかのキャッシュのみ対応・・・売る気あるんですか???モスクワの空港はあまり変わっておらず、パスポートコントロールも審査が異常に遅く、また“信じられない割り込み”ありの無法地帯・・・ちょっとくたびれる。
モスクワは思ったより寒くなくてびっくり。夕方で気温は摂氏0度。もっと寒いと思い着込んできたのに・・・まあ寒がりなので助かった。これも地球温暖化の影響か。最近冬が寒くないという。空港でモスクワ日本大使館の南公使と武藤派遣員から最新ロシア情勢をヒアリング。世界経済危機の影響をもろに受け今年はマイナス成長。好景気に沸いた最近に急速に積み上げた基金も使い果たす勢い。
産業構造も、資源に依存したモノカルチャーからの脱却が相変わらず課題のようだ。最大の製造業であるロシア製自動車産業も破綻寸前とのこと。観光立国を目指すにしてはホスピタリティがまだまだ課題。
日本で最も大きな製造業としての投資を行なっているのはサンクトでのトヨタ。製造業以外ではエネルギーから食糧まで手広く商売する総合商社である。
ロシア固有の問題としては日本以上に若年人口が急減していることも課題。男性の平均寿命は50台。アルコール依存とストレスのせいだという。一方、近隣国からの移民が増え、最近までヘイトクライム(人種間抗争)が問題となっていた。アジア系を狙った犯罪が多かったらしい。今はそれは沈静化していると聞き一安心。ただ、ロシアの主要民族であるスラブ系の人口は急減し、回教系やアジア系が急増しているので、今後はどうなるか・・・
明日はロシア鉄道のヤクニン総裁と朝食ミーティング。従業員数120万人という世界最大級の企業である。9月末にシンガポールで新幹線を売り込んで以来の再会である。南公使によると、モスクワ・サンクト間の高速鉄道はドイツが落札。新幹線は、寒冷地走行に自信がなかったせいもあってか、積極的なセールスしなかったようだ。まあ、今ロシア財政が危機的になっているので、取立て容易ではないかもしれず、経営判断としては正しかったかもしれない。でも国家がバックアップしてチャンレンジしていれば、ビジネスとしても、技術としても、世界セールスの大きな経験値になったと思う。
ロシアは広大な国であるが、人口の集積地はモスクワとサンクトの二つで、他の都市は群雄割拠で高速鉄道の採算性は問題かもしれない。ただ、高速鉄道が都市のあり方を変えるかも。
経済は苦境にあっても相変わらずのプーチン人気。今のロシアは表向きは強健派のプーチン首相、テクノクラートのメドベーチェフ大統領の二頭立て。しかし、実はずっとプーチン支配。ロシア国民は強いリーダーについていく傾向が強いという。次期大統領選ではプーチンが大統領に返り咲き、メドベーチェフが首相にスィッチする可能性も高いという。ちなみに、私がシンガポールで懇談したシュワロフ第一副首相はメドベーチェフ派の典型的なテクノクラートだという。
サンクトペテルブルグの夜の街並みの美しさは言葉では表現できない。ただ、新興国は心と身体に余裕のある人におススメします!今の私のようにパツパツのスケジュールとキツキツの精神状態では新興国はクタクタになるかも・・・在外公館の皆様のご支援ありがとうございます。
さて、明日はいよいよプーチン首相とメドベーチェフ大統領が登場。二人のオーラをこの目で確かめたい。

