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米中関係悪化の象徴

2010.01.23

[コラム]

中国政府対グーグルは米中関係のリスクになりつつあるようだ。というかリスクの象徴でもある。そもそも体制保持のためにも、国内事業者(バイドゥ)保護のためにも、検閲なしの事業展開をグーグルに許すわけはない。中国政府の検閲体制ならグーグルが苦労している中国国内からのサイバー攻撃から守ってやることができないはずはない。

中国はグーグル問題を通じて米国に不満を伝えているのだと思う。結果的に、検閲を逃れられないこと、サイバー攻撃への対応からコストが急増すること、この二点から、私はグーグルは中国から完全撤退せざるをえないと思う。

グーグル問題に限らず、中国は相当の不満を米政府に直接的な表現で伝えている。オバマがよく使う「G2」という表現にも中国が強く反発。「まだ新興国に新興国に過ぎない我々に米国と同等の国際的責務を果たせるわけがない。そんなコストは負えない」ということだ。クリントンが使った「成熟した二国間関係」にも大反発。「米中関係はまだ始まったばかり」ということだ。米国の都合のいいストーリーに乗せられるのはゴメンなのだ!

コペンハーゲンCOP15での激烈な表現もその延長線上にある。米国が求めるイランへの追加制裁措置に対する中国の姿勢もあからさまに反対になってきている。世界的に大ヒットしているハリウッド映画「アバター」を評価する映画評論サイトを突然アクセス不可能としたり、上映映画館数を一気に減らしたりする強硬姿勢も米中関係悪化と関係あるとみる。

今年は米国も選挙の年。グーグル問題を契機に、対中ちゅ貿易赤字が不振の産業界の不満のはけ口となり、対中強硬姿勢を煽るメディアやロビー団体も多く、オバマは苦しい選択を迫られそうだ。実際、中国産おもちゃの健康被害の問題も、米国では過剰なくらい大きな問題になってきている。これに台湾への武器売却、ダライラマ訪米が加わる。

先日行なわれた台湾の選挙で民進党が躍進したことは、進化一辺倒だった台中関係にピークアウトの兆しが見え始めたということだろう。米中、中台、米台も微妙にバランスが変わりつつある

ちなみに、グーグルの「誰もが自由に世界中の情報にアクセスする権利がある」との民主化的な訴えは中国ではあまり受けていない。逆にCIAのスパイ的に見られている向きもあるかも。われわれの想定以上に中国では民衆の間で現体制の国家資本主義支持されている。グーグルのシュミットCEOは完全に読み間違えたのだと思う

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